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ドラゴンクエスト�T･�U 発売日 1993/12/18 発売元 エニックス ジャンル RPG お勧め度 ★★★★☆ 思い入れ ★★★☆☆ ぱふぱふ感 ★★★★★ 〜 ぱふぱふ それは人類最古の職業によってもたらされる人間賛歌 〜 言わずと知れたロールプレイングゲーム、「ドラゴンクエスト」「ドラゴンクエスト�U 悪霊の神々」の二作（以下DQ1,DQ2）をリメイクして収録したのが本作である。 私がこの稿で今更述べるまでも無いので、作品内容の紹介や評価は割愛させて頂きたい。 本稿では、ドラゴンクエストシリーズ全般に登場するある単語とその意味について勝手に考察したい。 全国の紳士淑女の皆様に広く知り渡っていながら、未だにその正体を紐解かれてはいない抽象的な言葉、「ぱふぱふ」についてである。 フリー百科辞典サイト「ウィキペディア」 では以下のように解説されている。（以下抜粋） 「ぱふぱふ」 各作品必ずどこかに登場する言葉。町の女性が誘う場合が多いが、その行動や効果は作品によって異なる。 (参考1) 上記説明にあるように、「ぱふぱふ」の具体的行動や効果は作品により変遷していくことになる。 しかしそれならば、シリーズ本来の「ぱふぱふ」の具体的行動や意味は、初期作品である本作の中に見つけることが出来るはずだ。 「ぱふぱふ」の起源は古く、1986年5月27日に発売された「ドラゴンクエスト」以降、全てのドラゴンクエストシリーズに登場する。 以下はリメイク版である本作内のシーンである。 [DQ1のぱふぱふシーン] [DQ2のぱふぱふシーン] さて、上記で注目すべきは、DQ1のシーンである。 女性に20ゴールドを支払うことで「ぱふぱふ」という行為を受けることができる。 DQ1の世界観が中世ヨーロッパ的であることは、私が説明せずともご理解いただけるだろう。 中世のヨーロッパの温泉町で、温泉にいる女性が貨幣を受け取る代償に男性にあるサービスを提供する。 このやり取りが意味するものは、私が多くまで言わずとも明らかである。 そう、人類最古の職業と言われている「売春」である。 さて、ここで少し話を逸らせて、「売春」という職業について考えたい。 日本、アジア、ヨーロッパを問わず、人権や女権という概念が確立したのは近代以降である。 それ以前の世界では「売春」という行為も現在の商業主義的なそれとは少し違った概念として存在した。 大半を占める下級階層の人々の身近な職業の一つであり、風俗文化に溶け込んだ商売であった。 勿論、女性が搾取されてきた悲しい歴史の一つでもあった。 それはわが国でも同じであった。 私の愛読書に、戦国時代の前田家の武将の活躍を描いた「花の慶次 -雲のかなたに-（画:原哲夫 原作:隆慶一郎）」 という漫画がある。 そこに次のような描写がある。 「当時の湯屋は　酒も飲めれば女も抱けた」(参考2) 湯屋とは今で言う銭湯のようなもので、当時は蒸し風呂であった。 客には「垢すり女」という女が付き、蒸し風呂内で客の体を擦り垢を落とす。 そして二階などに場所を移し、女郎としての役割もこなす。 売春が風俗文化として顕著であったのは安土桃山時代・江戸時代であろう。 公的権力に統率された遊郭の遊女や、非公認の岡場所などの飯盛り女や垢すり女や夜鷹など。 前者には歴史的に見ても非常に華やかな文化・芸術という側面も多大にある。(参考3) これらが現在の日本の風俗産業と異なるのは、彼女たちは資本主義に守られず一方的に搾取されていたことであろう。 彼女たちは完全に自由を奪われ健康を保障されず、命を落としても人として弔われることも無かった。 実質、売春婦に人権は無かったのである。 そして資本主義に守られていない故に、彼女たちは独自の芸能文化と共同体を発達させていき、色を売る芸人としての誇りも築いた（と考えることもできる）。(参考4) 明治維新後･第二次大戦後と、近代思想や民主主義と共に、男女平等思想や人権思想、社会政策などが輸入されるまでは（これらは受動的な性格もあったが）、これらの売春施設は市民生活の中に混然と存在していた。 時には華やかな色町文化として時には歴史の影として。 そして現代の売春は、極めて商業主義的であり、そこに文化や芸術を見出すことはできない。 前時代的なそれとは在り方が違い、売春という「カネを稼ぐ手段」に単純化され、現代にふさわしい様々な問題を抱えている。 外国人の不法滞在や、人身売買、風営法や暴力団など。 日本人が海外で買春するという話も稀ではない。 もちろんこれらの問題は日本だけの物ではない。 個人の倫理観、男女平等や人権思想の他にも、世界的な経済の格差という根本も抱えている。 男がいて女がいて経済活動があれば、売春というものが無くなることはないだろう。 閑話休題、私はジェンダー問題や性風俗について語りたかったわけではない。 かつての世界には売春という行為が文化に根付いて日常的に存在していたということを申し上げたかった。 （勿論、女性の地位を貶める意思は無いことを追記しておく） ここでの本題はドラゴンクエストにおける「ぱふぱふ」についてである。 先に述べたが、本作の世界観は中世である。 音楽担当のすぎやまこういち氏は本作の音楽について、中世的で重厚で暗いイメージを意識して作曲したそうだ。(参考5) そして脚本の堀井雄二氏が、DQの世界に現実のような生々しい中世の人間の社会生活と命を吹き込むために用いたのが、この売春婦であったのではなかろうか。 彼女たちは社会の表層であり裏でもあり、DQの世界に生の住人として存在したのだ。 この世には「売春」で生計を立てている人間がごまんといる。 それは事実なのだ。 家庭用ヴィデオゲーム機のソフトであり子供向け玩具である、ドラクエの中のファンタジーの世界とて、それは例外ではない。 この人間の影の歴史を隠したとして、それは果たしてファンタジーたりえるだろうか。 それを包み隠して、都合の良い内容だけを用意したとしたら、それは「商品」ではあるが「作品」ではない。 しかし、この人間の生活を描く手法としてドラゴンクエストは「売春」という直接的な描写を用いなかった。 そう、かわりに「ぱふぱふ」を用いたのである！ 「売春婦」という職業を見事にオブラートに包み、子供たちの興味を引くような「エッチ」な言葉と世界を作り上げたのだ。 ドラクエの制作者は「ぱふぱふ」という言葉と行為、そして職業を作った。 そして「ぱふぱふ」は今や人々に浸透し広く知られるものとなったのである。 何という想像力、勇気、やさしさであろう。 さて、「ぱふぱふ」の来歴と存在理由が明らかになったところで、いよいよその実践的で具体的な行為について明確にしたい。 ぱふぱふの産みの親と考えられるのが、誰もが知る少年漫画「ドラゴンボール」とその作者でありDQシリーズのキャラクターデザインを手がける鳥山明 氏である。 実は（というか誰でも知ってるが）「ぱふぱふ」という言葉とその行動はドラゴンボールの中で具体的に描かれている。 以下にそのシーンを抜粋する。(参考6) 亀仙人　「ううん!!じらすんだからん!! ウーロン「ごめんなさぁーい 亀仙人　「さ…さあ…　さっそくつつかしてくれ…！ ウーロン「あーら　純情〜！つつくだけでいいのぉー!? ぱふぱふのほうがいいんじゃなぁい？ 亀仙人　「ぱ…ぱ…ぱふぱふ…？ ウーロン「オッパイとオッパイのあいだにおカオをはさんで…ぱふぱふ 亀仙人　「ぱふぱふ!! そう、ここに「ぱふぱふ」が具体的に表されているのだ。 「ぱふぱふ」についてその言葉の意味や行動を具体的に断言しているサイトは見当たらない。 ならば私はこの場を借りて世の中に明言しよう。 たとえそれによって私の名を貶めることになろうとも。 「ぱふぱふ」とは、女性の乳房と乳房の間に顔面を挟むもしくは埋めるという、性的遊戯及びそのときの擬音語を指す。 そしてこの「ぱふぱふ」という表現方法こそ、DQの世界に人間の生活感を吹き込んだのである。 この決して卑猥ではなく、差別的でも卑屈でもなく、ただ「エッチ」な表現によって、一体どれだげドラクエの世界の住人達は救われたことであろう。 この明るくて楽しくて人間臭い表現方法と世界観こそ、ドラゴンクエストシリーズが他のＲＰＧとの間に一線を画し続ける一因を担っていると私は考える。 想像力とは創造力である。 たとえ悲しい歴史や不条理が世の中に蔓延していたとしても、人類がこの武器を失わない限り、人間は勇気をもち歩み続ける力を失わないであろう。 「ぱふぱふ」の想像力と勇気によって未来が過去よりも素晴らしい世界になることを信じたい。 注：本稿には筆者の性的嗜好を一切含みません [参考1] フリー百科事典「ウィキペディア」 [参考2] ジャンプコミックス「花の慶次 雲のかなたに」第三巻 集英社発行　画：原哲夫　作：隆慶一郎 [参考3] 「北斗の人」角川文庫発行　著：司馬遼太郎 [参考4] 「吉原御免状」新潮社発行　著：隆慶一郎 [参考5] ドラゴンクエスト完全データベース「カ２ロマニア」 [参考6] ジャンプコミックス「ドラゴンボール」第二巻　集英社発行　作：鳥山明 2005/11/21　三鷹にて ■皆様のお気に入りの理由・おもひで・その他一言■ スーファミグランプリの投稿フォームから、ドシドシご投稿下さい！ ※未投稿です。誰か投稿して〜 スーファミTOP　　サイトTOP 完全無料！サービス動画